お兄ちゃんの気持ち
み、見るって!?

「いえ、やめておきます…」

握っていたカオリの手を、ぎゅっと強く握ってしまった。

「コウヘイ、かわいいね」

痛いはずなのに、今は楽なのかそんな事を言うカオリこそ、なんだかすごくかわいくて。

思わずおでこにキスをしてしまった。

「がんばれ、カオリ」

それから何度いきんだのか覚えていないけど。

助産師さんの誘導で頭が見え、肩が出てからはあっという間だったように思う。

取り上げられた瞬間は、とにかく感動して。

「お父さん、女の子ですよ!」

少し前までは「旦那さん」って呼ばれていたのに、生まれた瞬間から俺は「お父さん」って呼ばれるようになった。

「かわいい」

助産師さんの指示を受け、へその緒を切る。

すごい。
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