お兄ちゃんの気持ち
「今年、高校へ入学したんだ」

「へー、ジョシコーセー」

ふとさっき見た写真を思い出してみる。

すらっとして身長は高そうだったよなぁ。

顔は、まあ、普通に可愛い感じ。

「…気持ち悪いよな。ごめん」

「え?」

寂しそうな浅野の表情に、何のことかわからなくて。

でも、ふっと手帳を片づけた引き出しに視線を移した浅野を見て、妹のことなんだってわかる。

気持ち悪い…か?

「妹だろ?家族の写真くらいいいんじゃね?」

高校1年生ってことは、俺たちよりも…7歳年下?

7つも年の離れた妹かぁ。

「かわいいな」

ロリコン趣味はないけど、いいな、妹って。

「…ああ、かわいいんだよ」

恥ずかしそうに笑う浅野は、女の子たちの前で見せている笑顔とはまた違った顔で。
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