お兄ちゃんの気持ち
こんな笑顔、女の子が見たらイチコロなんじゃないのか?

男の俺から見ても爽やかでドキッとするような笑顔で。

「生まれたときから、父親になった気分?」

「え、7歳で父親?」

思わず笑ってしまったけど、年の離れた妹ってそんな風に思うのかな。

確かに、ジョシコーセーに「おにいちゃん」なんて懐かれたら鼻の下伸びるかも。

ってそんな趣味はないけど!!!

「まあ、それくらいかわいいんだよ」

妹の居ない俺から見たら、わからないその感情。

転勤で海外生活をしているご両親に代わって、本当に父親のようにお世話をしているんだろうな。

その夜は妹さんの話を聞いてちょっとだけうらやましいなんて思ってしまった。

翌日からも研修は続いて、女の子たちは相変わらずだったけど。

研修が終わって、それぞれの配属先へ別れてからも、俺と浅野の関係は続いている。


『来週の出張、泊りで行くから。よろしく』

「あー、コウヘイのために部屋の掃除でもしとくよ」

『はは。よろしく頼むわ』
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