お兄ちゃんの気持ち
「いくらお前でも、紹介だなんて」

カナコの気持ちは?

いや、カナコじゃなくて俺の気持ちの問題なのかも。

今まで何人か好きになったりした相手がいたカナコ。

そりゃ、二十歳の女の子だから、好きな人が居なかった、なんてありえないんだろうけど。

どれも俺が納得できる相手ではなくて、何だかんだで諦めさせてきた。

「彼氏、居ないんだろ?」

いつの間にか飲むのをやめたコウスケが、カウンターで横に座る俺の顔を覗きこんでくる。


「俺は、本気だ」


そんな言葉に、全く酔ってない俺の頭はどうしようもなく真っ白で。


こいつなら、カナコを泣かせたりしないんじゃないか?


以前から考えていた事が頭を過る。

「なあ、どうしようもなく惚れてるんだ」
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