太陽の手




立ち上がってスカートの汚れを手ではらいながら呟く。



すると彼はその場で横になった。



あたしはただ寝転ぶ彼をまじまじと見つめる。



「俺いつも授業中は屋上でサボってる」



…いつも?毎日って事?



しかもあたしは、昼休憩にここを訪れて…彼は授業中訪れる。



何だかあたしが授業サボらなきゃ、彼に出会ってなかったのかも…



「え、でも教室には顔出すでしょ?」



「あー…まぁ。俺は教室じゃなくて生徒会室だけどな」



生徒会長って、クラスがないのかな??



そんな話学校に3年間いて気づかなかった…彼に会ったのも初めてだし。



変な校則だなぁ……



「そっかぁ…たまには授業受けた方がいいと思うよ!!じゃぁね!」



色んな疑問があるけど、とりあえず屋上を後にした。




教室に入ると皆の視線と同時に、担当の先生が心配そうにあたしを見つめた。



「大丈夫なの?綾瀬さん」



「あー…大丈夫です。ちょっと腹痛で」



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