太陽の手
適当に誤魔化して自分の席につくと、前の席の雪奈が振り向いた。
「何で戻ってきたのー?」
「屋上で生徒会長と話してて…ばらされちゃったら困るから戻ってきちゃった!」
本当は、ばらされないんだけど…苦笑いをするあたしに首を傾げる雪奈は、また姿勢を整えて前を向いた。
ふぅ…後で雪奈にはちゃんと話そう。
あたし、生徒会長なんて初めて見たんだから雪奈も見た事ないよね?
数分つまらない授業を受けて、やっと終了のチャイムが鳴るとHRを終わらしてそそくさと教室を出る。
「ちょっと待って!」