太陽の手




「まじで言ってんの??」



「まじ……かも。」



少し疑問形で答えると、雪奈は不思議そうにポカンと口を開けている。



あたしだって何故だか分かんない。



だけど何だか屋上でのんびりしていたいんだ…



―綾瀬蒼衣―



中学3年生の受験生になり、あたしは日々勉強がさえない毎日を送っていた。



最後の中学生活はラストスパートにかけて頑張らなきゃ!



……勉強一筋と言う言葉そのものだったのに……



最近思い切って散髪したセミロングの黒い髪が風になびき、頬に髪が触れる。



思い切って切ったのには深い意味があるから…



「最近優斗くんと別れて変わったよね~」



優斗……雪奈が無意識に出した言葉にビクッと身体が反応した。



大好きだった人、愛した人……だけどそれはもう過去の人。



雪奈は名前を出して申し訳なさそうにパタリと台詞を止めた。



「ゆ、優斗は関係ないよ!振ったのはあたしだし!!」



心配してくれるのは嬉しい事だけど、逆にちょっと胸に突き刺さる。



もう無関係な優斗なのに…



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