太陽の手
雪奈はいつもあたしの見方でいてくれる。
弱音を吐くあたしをちゃんと支えてくれる。
だから雪奈はあたしの大事な親友…
「あたしは…もうちょっとここにいるよ」
空を見上げると、眩しい太陽が雲から顔を出した。
入道雲はすごくきれいで、青い空が微かに透き通っている。
雪奈は『そっか。じゃぁ先生に保健室にいるって伝えとくね!』と言って屋上を後にした。
一人の空間は寂しく思えて安心できる。
その場でゴロンと横になると、さっきの眩しい太陽が雲で隠れてしまっていた。
携帯を開くと時間はもう1時から5分が経っている。
「時間経つの早いー…」
あたしは額に腕を乗せて目を瞑り、眠りについた。
どれくらい経っただろう…意識を取り戻したのは初めて見る男子の声だった…
「~い!お~い…!」
遠くから聞こえる誰かの声に、だんだんと現実へと引き戻されていった。
…ここには雪奈しか立ち入らないはず…
「う~…ん…雪奈~?」
思わず雪奈の名前を呼ぶと、ペシッと頭を軽く叩かれた。