太陽の手




あぁ、そっか…そういう事ね。



だけど不思議だ。こんないつもツンツンしてそうな人が笑うと、普通の人が笑うよりも笑顔に見えちゃう…。



自然に笑ってる顔がすごく以外で、思わずあたしも笑ってしまった。



「な、何笑ってんだよ?」



「いやぁ…何でもない!それより、名前なんて言うの?」



唐突な質問をすると、笑顔だった表情がさっきの呆れ顔になった。



「何で生徒会長の名前を知らないんだよ?俺は…っと教えねーよ」



…は?



何で教えない必要があるの?!



「どうして?教えてよ!!どうせすぐバレるんだから」



「バレるんだったら今教えないで良いだろーが」



そう言うと彼はあたしの鼻をムッと掴んで、ぺろっと舌を出した。



やんちゃな雰囲気にもなっちゃうんだ…



笑ったり怒ったり呆れたり、色々な表情や感情を出す人だなぁって呆然と思った。



「って言うか、痛い!」



咄嗟に我に返って鼻を掴む手を離した。



なんか簡単にボディータッチされてる気がする……



「あたしもう授業戻るね!あんたは戻らなくていいの?」



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