世界の果てで、恋の続きを。【先生×生徒】
「……先輩は、自分って言う存在を、忘れることって出来る?」
「出来るわけないだろ?」
嫌そうな顔で否定した先輩に、あたしはにっこり笑いかけた。
つまりはそういうこと。
「忘れられるわけ、ないじゃない。あたしの根幹はね、先輩。全部あのときに摩り替わっちゃったんだよ。
全部全部、ミナトにあげちゃったんだもん」
朋久先輩はひとつだけ、固い顔でため息をついた。でも次にあたしを見た先輩の顔は、いつもどおりの二枚目で。
この人も大変だよなぁなんて、先輩が聞いたら「誰のせいだ」と怒り狂いそうなことを考える。