他人の恋愛話に興味はねぇ
全自動卓が綺麗に牌を並べ終え、
親である俺は中央のサイコロボタンを押した。

テーブルに埋め込まれたケースの中の2個のサイコロが、カラカラカラ、と乾いた音を立てて勢いよく回る。


タシロに急かされて、恭平は不倫の彼女の話を始めた。

ざっとこんな感じだ。



恭平は出会い系で、人妻とアポイントを取った。

名前は由美子。

年は30代半ば。

全体的に細身で、顔は中の上、
「かつてのアイドルのその後」みたいに美人。
清楚な感じでどこかセレブっぽく、
恭平が想像していた貪欲なおばさん像はあっさりと崩れた。


まさかこんな人が浮気なんて・・・嘘だろう。


一瞬そう思ったが
最初からセックスが目的のような出会いだったので
2人は会話もそこそこにホテルへ向かうことになった。


恭平にとっても、
こんな出会いは初めての経験だったそうだ。
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