他人の恋愛話に興味はねぇ
がちがちに緊張した2人は、部屋に入ったものの、
どうしたらいいか分からずにベッドに腰掛けながら、お互いの自己紹介を始めた。


由美子さんは
「年上の旦那とは2年ほどセックスが無いの」
と言う。


「それはどうして?」
と恭平が尋ねても、由美子さんは首を傾げるだけで
「分からない」と答える。


最初の頃はどうしてもしたくて、自分から旦那にモーションをかけたりもしたそうだが
あからさまな拒否が何度か続いてからは、もう自分から誘うことはしなくなった。

女から男に求めること自体が、旦那にとって不愉快らしい。


「じゃあ由美子さん、その欲求をどうやって処理してるの?」


「・・・・」


顔を赤らめて黙り込む由美子さん。


「今日俺と出会ったみたいに、出会い系で浮気してるとか」


「まさか!・・・こんなこと初めてよ」


由美子さんは大きくかぶりを振る。


並んで腰掛けているベッドが少し揺れた。
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