他人の恋愛話に興味はねぇ
「由美子とホテルに行ったところまで話したんだっけ?
そう、ねちねちと言葉でいじめたところまで話したんだよね?」


「あう、あう」


おあずけを食らった犬のような、間抜けな声が出ちまった。


「恥ずかしがって、手で顔を覆う姿に、俺すっげー、興奮したんだ。
強引にスカートを下ろして、ストッキングをびりびりに剥ぎ取ったら、由美子、『やめて、乱暴にしないで』って叫んだんだ。
当然だよな。
初めて会ったやつに犯されそうになっているんだから。
その恐怖に満ちた表情を見たら、俺
頭の中で何かが弾け飛んで、真っ白になった」


真っ白って・・・。


「真っ白になったって、全然覚えてないのか?」


「・・・うん、覚えてない。
タシロは過去にそういうことってなかった?」


「あるかよ!
まぁ、女の方の頭の中を真っ白にさせることはあるがね、あはは」


「おんな、あたま、まっしろ・・・?」


「女をいかせる、ってことよ。
分かる?村上くん、昇天よ。
タシロ君の自慢。
もういいから、あんたは黙ってなさい。
恭平ちゃん、それで、どうなったの?」

洋子さんのバンパイヤのような目が、生き血を吸ったかのように、さらに光を増した。
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