他人の恋愛話に興味はねぇ
恭平は自分のことをあまり表に出さない。

どちらかというと、話すよりも聞く側の男。

土井もついつい恭平に
愚痴とか相談とかを持ちかけてしまう。

どんな話でも嫌な顔をせず、
口も挟まず、
ただ黙って最後まで聞いてくれるので話しやすいのだ。

恭平は的確なアドバイスを返すわけでもない。
ただ黙って聞いてくれることこそが奴の心の広さであり、
土井は自分には無い度量に一目置いていた。

恭平にも彼女がいたのか・・・

しかも不倫とは・・・

気付きもしなかった。
というよりも、恭平には話せる相手がいなかっただけかもしれない。


「その彼女ってのが人妻なのか?」


人妻・・・
なんて淫靡な響きなのか。


自分で言っといて
ほんわかと耳たぶが熱くなる。
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