他人の恋愛話に興味はねぇ
「ど、ど、ど、どうやって知り合ったんだ!?」


「どもんじゃねーよ、タシロ、おまえ何興奮してるんだよ」


土井と村上は揃って声上げて笑ったが、
タシロの表情は真剣そのもの。

女に関しては俺の右に出る奴はいない、と豪語していたタシロらしく、むきになって恭平に詰め寄っている。

当の恭平自身は「うーん」と唸ったきり、
指に挟んだマルボロをくるくると器用に回している。
詳しく話そうかどうしようか、迷っているようだ。

「そんなに聞きたい?」

うん。

うん。

うん。

俺と村上とタシロの、見事なうなずきトリオ。


「最初はさ、由美子1人だったんだ。
きっかけ?きっかけは出会い系。
そうしたら友達を紹介されてさ」

出会い系で知り合った人妻。

友達を紹介?

話の先がまったく見えてこないぞ。
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