他人の恋愛話に興味はねぇ
「ちょっと待て、恭平。
その由美子って人妻とは寝たのか?」

さらにグイっと身を前に出してタシロが言う。

「ああ、出会った日、すぐホテルに直行さ」

ガツンと頭をハンマーで叩かれた気分だ。

恭平は童貞だと信じてた俺が馬鹿だった。

「で、で、その由美タンって幾つなのよ」

「由美タンって、お前勝手にあだ名作るんじゃねぇよ」

エロ全開で鼻息を荒くする村上。
イライラする。
「ひ、人妻ってどんな感じ?」などとまだ言ってる。

「年は知らない。
聞いたこともない。
たぶん34、5じゃないかな」

「さんじゅうし、ご!」

俺とタシロと村上の裏返った声が綺麗にハモった。
< 6 / 20 >

この作品をシェア

pagetop