ツンデレプリンス
「あ、そうだった。それじゃ」
軽やかなステップをふんで結衣は行ってしまった。
「悲しい……」
「別にいいだろ。彼氏いなくても、オレがいるんだからよ」
すでに私より背の高い稜弥は、私の頭に手を置いて慰めてくれた。
その慰め方が気に食わないけど。
「アンタ弟でしょうが。私は彼氏が欲しいのよ彼氏が」
「…………バッカじゃねえの?」
「バッ……姉にバカって酷いじゃないか!」
「本当なんだから仕方ないだろ。ほら、行くぞ」
私の手を握って歩き始める稜弥。
これじゃあ、どっちが年上が分からないじゃないか。