Strawberry on the shortcakes
藤代先生の車の助手席に乗って
「頭、大丈夫か?」
先生は運転しながら訊いた
「は…はい………」
ドキドキし過ぎて声が上ずる
落ち着かなくて シートベルトをギュッと握りしめた
「先生」
「なに?」
「………ごめんなさい」
「……なにが?」
「……重かったよね?」
ふっ………て
先生は柔らかく笑い
「うん。スッゴク。
肩が外れてぎっくり腰になるかと思った」
ガ――――――――ン
終わった
終わったよ、私の恋
ちょうど赤信号で車が止まり
凹んで何も言えない私の顔を
先生はのぞき込んで
「ウソだよ」って笑った
「~~~~~っ。ウソだ」
恥ずかしくて
目に涙が浮かんできた
「うん?だからウソだってオレ今言っただろ?」
「だから、ウソでしょう
私、重かったんでしょ?
ブタって思ったでしょうっ」
「また、なんで そんな事を思うかな?」
先生は苦笑いをして
信号が青に変わり車は走り出す
「私が軽いわけないもん……」
うつむいてると本当に涙が出そうになった
先生は困ったように笑って
「山本が軽かったらオレは哀しくて泣いてしまうよ」
「え?」
先生は一瞬だけ真顔になって
「うん。軽かったら哀しくて泣いてしまうよ」って呟いた