Strawberry on the shortcakes
修ちゃんの手から
缶を奪い返して
フリフリ振ってみるけど
…………空っぽ
「ちょっと!修ちゃんっ
なんてことしたのっっ!?」
修ちゃんの胸元を掴み
詰め寄ると
「なんだよ。藤代にバナナ汁粉 押し付けられて困ってただろ?」
「困ってないっ!
あ~ぁ、どうすんのぉ?
感想言わなきゃなのに……」
ガックシうなだれると
涙が出てきそうだった
バナナ汁粉………
先生と私のバナナ汁粉を……
「あ゛?感想?
こんなモン、バナナの匂いする汁粉ってだけだよ」
「修ちゃんのばか~
30字以上50字未満でだよ!」
「こんな飲み物に30字も語れるかっつうの!」
「あ~もう!修ちゃんじゃ話にならない
……そうだ!もう一度買おう!」
制服のポケットからお財布を出して
自販機にコインを入れたけど
――バナナ汁粉 売り切れ――
.....なんで?
「バナナ汁粉なんて誰が買うのよぉ
売り切れるほど誰が買ったのよぉ!」
自販機に文句を言うと
後ろで その様子を見てた修ちゃんが
「キッズ」
半べそで私が「ん?」って振り返ると
「キッズは藤代が好きなの?」