Strawberry on the shortcakes



夏休み


朝、7時40分


姿見の前に立ち


「髪、寝癖なし」


「服装………は大丈夫かなぁ?」



水色のギンガムチェックのシャツワンピ



「ゴミ出し行くだけなのに
変かなぁ?」


Tシャツ、ジーンズの方が自然?



「でもでも、夏休み中に藤代先生と会えるごくわずかなチャンスだし……」


ちゃんとした格好で
会いたいもん




鏡の前、クルクル身体を右に左にくねらせながらスカートの裾を摘まむ



「う~。時間ないや
先生、もうすぐ家 出ちゃう」



キッチンの床にまとめて置いた可燃ゴミの袋を掴み



玄関でサンダル履いて



ドアにピタ~っと耳を付ける




……カタンッ


隣から物音が聞こえて


一度、深呼吸してから



―――――ガチャン……


玄関のドアを開けた

その途端、目の前が白く眩しく輝き出したのは


朝日がマンションの通路を
照らしていたからではなく



鍵を閉めながら


「お。山本。おはよう」


少し驚いたように
目を見開いて私を見た
藤代先生が
キラキラしてるから



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