Strawberry on the shortcakes
「夏休みなのに、ちゃんと朝起きてえらいなぁ」
一緒にエレベーターに乗って
一言、二言、会話をし
マンション出て すぐ右隣にある
ゴミ置き場にゴミを出して
「じゃあ」
そう言って駐車場へ向かう
藤代先生の背中に
「……あのっ!先生」
「ん?」
私を振り返って
先生は首を傾げた
ドキドキ ドキドキ
激しく高鳴る胸に
握った片手をあてて
「……い、いってらっしゃい
先生……………」
うわぁ~
言えたっ!
言えた…………けど
『いってらっしゃい』って言葉
結構、恥ずかしいなぁ
ゴミ置き場の前で
『いってらっしゃい』なんて
まるで まるで
フーフみたいだしぃ~
私が頭の中オーバーヒートしてると
先生は
柔らかく表情を崩して笑い
「はい。いってきます」
優しい声で言ってくれた
「―――――――――……っ」
先生!
その笑顔と声は反則だよぉ
もう幸せ過ぎて涙出そうっ
先生の『はい。いってきます』の余韻にひたって
いつまでもゴミ置き場に突っ立ってたから
駐車場を出た藤代先生の車にも
手なんか振っちゃったりして
先生も片手を上げてくれちゃったりして
あ~っ隣に住んでて良かった
朝から
幸せいっぱいの私なんです