Strawberry on the shortcakes



「……そぉ。残念」

本当に
ガッカリしたお母さんの声


ズキズキ 胸は痛むけど


「困った事があったら
宇佐美の家に頼るのよ?」


「うん。大丈夫、わかってるよ」



「じゃ、身体に気をつけて
遊んでばかりいないで
勉強もしてね」



――――ピッ
電話を切ると


なんだか罪悪感で
胸がいっぱいになった


お母さん。ガッカリしてた


お父さんもガッカリするかな?



でもね


私は
どうしても
先生のそばにいたいし



絶対に
先生のそばにいなきゃって


そんな気持ちにも なるんだ…



一歩間違えたらストーカーなことしても



先生に会いたい
先生を感じたいって思う



それと同じくらい



先生のそばにいなきゃ
特別にならなきゃって



胸の奥の奥


誰かが私を突き動かす



本来、地味で人見知りの私が


先生の前だと


居ても立ってもいられなくなって



近くに行こうとするんだから



恋ってスゴいよね



私はソファーから立ち上がり


リビングの窓を開けて
ベランダに出た



ムッとした夜風に吹かれて


暗い空を見上げる


ベガとアルタイル、デネブの夏の大三角が南の空に見えて



織姫と彦星より
私と先生の方が近いもんね…


………先生?

私、どうしようもなく
先生が好きだよ


少しでも 昨日よりもっと


少しでも今日よりもっと


明日は先生の近くに行きたい




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