Strawberry on the shortcakes



進路指導室で
机を挟み向かい合って座る



唇を固く結んで
ひざを じっと にらみ うつむく宇佐美に


「どうした?進路の事で相談か?
それとも、他に何か悩みでも…」



「……キッズ」



「え?」



キッズと呟いた宇佐美は
言い直すように



「絆のこと。
先生、絆のこと どう思ってる?」



予想外の質問に
しばらく何も返せなくて



朝、恥ずかしそうに
『いってらっしゃい』と
オレに言った笑顔を思い出した



「どうって。うちの学校の生徒だと思ってるけど」



机の上で手を組んで答えると



宇佐美は意外なことを口にした




「先生。
絆は違いますよ?」


え?



「絆は先生のことを学校の先生なんて思っていない」



キッとオレを強くにらみ



「絆は藤代先生が好きなんだ」




――――――――――ドキン




宇佐美の言葉に


胸が


大きな音をたてた




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