Strawberry on the shortcakes
絆が オレを 好き?
ドク ドク と
一気に鼓動が早くなる
視線を落とし、映った
机の上で組んだ両手は
小刻みに震えていた
―――――なに、動揺してる?
しっかりしろよ、オレ。
グッと手に力をこめると
――――――藤代先生
頭に浮かぶ
その声と笑顔は
結なのか
絆なのか
「先生。
先生はマジで絆のことを何とも思っていないの?」
宇佐美の声にハッとして
当たり前って言おうと
口を開いた瞬間
「当たり前だよね?先生」
宇佐美は真っ直ぐオレをにらみ
感情が高ぶってるのだろう
肩が震えていた
「先生みたいに中年のオッサンが
女子高生、しかも生徒を好きになったらキモいし
絆は絆で先生が下手に構うから
勘違いしてるだけだし
恋に恋してるみたいな感じ
うん
絆はきっとそんな感じ」
宇佐美は自分で自分の言葉に
うなずいてから
「先生。
もう絆を惑わせないって
オレと約束してよ」
「え?」
「先生の方から絆に話しかけない
絆が近づいても拒絶してよ」