Strawberry on the shortcakes



私の名前を聞いたとたんに




先生の大きな目からは涙が落ちた





―――――――――――えぇっ



な、なんでっっ



私、なにかした?




「…先生?」



私は先生に駆け寄り



「先生、大丈夫ですか?」



スカートのポケットからハンカチを出して渡した




「ごめん……………
ありがとう」



う~ん
わけが わからない



涙を拭いた先生が



「洗って返すから」


「あ、いいですよ…そんな…」



手をブンブン横に振り


思い出す



あれ?
もしかして チャイムすでに鳴った?




「だあっ!授業っっ」



私が叫ぶと



先生は一瞬きょとんとして



「………ふっ」



吹き出して笑った



わ、笑い事じゃないよ先生



暗い上に入学早々 授業に遅刻ってサイアクだよ



「じゃ、失礼します」



私が走り出そうとした時



あ、教室 どこだっけ?



「先生…………」


「ん?」


「1-Cの教室はどこですか?」



「え?まさか校内で迷子?」



カァァァァァァァァァ…


顔が熱くなりながら うなずくと



「あはは………」



先生は爆笑した



< 13 / 283 >

この作品をシェア

pagetop