Strawberry on the shortcakes
今日から2学期
姿見の前で
制服の赤いリボンを付けると
ピンポン
インターホンが鳴り
髪を軽く撫でて机の上のカバンを掴み部屋を出る
リビングのソファーに座る
テディベアたちに
「行ってきます」って
言ってから
小走りで玄関に向かう
茶色のローファーを履いて
ドアを開けると
「きぃ~ずなチャン♪
ガッコ行きましょ」って
修ちゃんが白い歯見せて
子供みたいな笑顔してた
「ホントに迎えにきたんだ」
修ちゃんに背を向け
鍵をかけながら言うと
「だって、
オレが見張ってないと
またオッサン想って
1人で泣いちゃうでしょ?」
先生をオッサンなんて言わないで欲しいなぁ……
カバンに鍵をしまい
先生の部屋のドアを見つめる
………先生は
もう学校行ったよね
ズキン……
まだ先生を思うと
胸が甘く痛む
「………キッズ?」
不安げな修ちゃんの声が
背中から聞こえて
「んふ」って私は笑って
振り返り
「もう泣きません」
私の笑顔に安心したかのように
修ちゃんは くしゃくしゃに表情を崩して笑い
「行くぞ」って私の手を握った
「えっ?手、繋ぐの?」
「子供の頃はよく繋いだし」
……なんか
全然わからない理屈だな
でも、ま、いいか………
修ちゃんだしね