Strawberry on the shortcakes
こんなに好きなのに
先生には迷惑にしかならない
じわじわ
目が熱くなって
涙がこぼれそうになったから
上靴のつま先に視線を落とし
唇を噛んだ
しばらくして
気持ちを落ち着けてから
もう一度
先生をチラッと見ると
…………先生
どうしてだろう
先生も
じっと うつむいて
寂しそうな表情で
唇を噛んでいた
そんな私たちを
体育館の後ろ
3年生の列から
修ちゃんが
誰にも気付かれることのない
切なさ抱えて見つめてた
始業式が終わって
教室へ戻る廊下の途中
壁にもたれかかり
パンツのポケットに手を入れて
暗い顔した修ちゃんが待ってた
「修ちゃん?」
修ちゃんの前で立ち止まり
声をかけると
ハッとしてから
「キッズ」って微笑み
私の頭をポンポン撫でた
「誰か待ってるの?」
「キッズだよ。
今日、一緒に帰ろうと思って」
「なんだ、そんなことなら
メールしてくれれば……」
そう言った私を
苦笑いしながら見つめ
「メールじゃなく
顔を見て言いたいから
だって
こんなに近くにいるのにさ」
「それも、そうだけど
じゃ、帰り玄関で待ってるね」
「うん」