Strawberry on the shortcakes



「修ちゃん!」


私はガタンと
勢いよく立ち上がり


教室の後ろまで駆け足で行く



そんな私の背中を


みんながニヤニヤして
注目してた



「修ちゃん、どうしたの?」



「ん~」ってご機嫌良さそうに
修ちゃんは壁に片手をついて



「オレのキッズは
何やるのかなぁ?って」



「んなこと、
あとで訊けばいいじゃん」


私はため息ついて


「教室、抜け出していいの?」



「うん。便所って言ってあるし」


「じゃ~、もぉ戻りなよ」


「で、何やるの?キッズ」


「喫茶店」


「メイド?ツンデレ?」


「執事」


「ハハッ!キッズの執事、めっちゃ見てぇ」


「修ちゃんは?」


「オレ?たこ焼きとライブね」


「え~?ライブ?」


「おうよ!キッズのためにギターかき鳴らすから」


修ちゃんが身体を大きく振ってエアギターをしてくれたから


「アハハっ!修ちゃんウケるし」



お腹を抱えて笑う私の頭をぐっしゃぐしゃに撫で回して



「じゃ、また帰りね」って修ちゃんは微笑んだ



「うん。今夜、なに食べたいか考えておいてね」



何度も私を振り返り
小さく手を振って
廊下を歩く修ちゃんを


見えなくなるまで見送ると


「彼氏っていうより旦那?」って紗智が少し呆れ顔で言った


やっぱり私はすかさず


「従兄弟だから」って否定した



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