Strawberry on the shortcakes



今夜のメニューは修ちゃんのリクエストで


ミートスパにした


グツグツお湯が沸騰した鍋に


修ちゃんがパスタを入れキッチンタイマーのボタンを押し



私は その隣で
ミートソースをかき混ぜる



修ちゃんの横顔を見たら


やっぱり
普通にカッコいいかな?


身内を査定するのは難しい



「ね、修ちゃん」


「うん?」


「修ちゃん、受験でしょう?
家でゴロゴロしてて大丈夫?」



パスタを菜箸で混ぜながら
「ふっ」て鼻で笑い


「ここのA大行くから楽勝」


「A大?修ちゃんなら、もっといい大学狙えるよね?」


「うん。でも、ここがいい」


「地元大好きなんだ?」


「………うん」


変なの
普通、東京とか行きたくない?


ランク下げて
地元にこだわるって


修ちゃんは変わってるなぁ



グツグツ グツグツ

鍋が煮立つ音が響くキッチン


「修ちゃん」


「うん」


「修ちゃん、彼女いないの?」


一瞬、修ちゃんはピタッと
菜箸の動きを止めて


「なんで?」って私に訊いた


「修ちゃんモテるから
私に構ってたら
もったいないなぁ~って」


無言の修ちゃんに


「好きな子いないの?」って
畳み掛けるように質問した



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