Strawberry on the shortcakes
リビングのテーブル
修ちゃんと向かい合い
黙々とスパゲッティを口に運ぶ
明らかにいつもとは違う修ちゃんの表情と気まずい沈黙を
テレビに映るバラエティー番組の嘘くさい笑い声が埋めてくれていた
修ちゃんがさっき『昔は……』なんてことを言ったから
クルクル
スパゲッティをフォークに巻きつけながら
子供の頃、夏休みや冬休み
2週間くらい1人で宇佐美の家にお邪魔してたのを思い出してた
修ちゃんに遊んで欲しくて
『修ちゃ~ん』って甘えた声で追いかけると
心底、
私を邪魔くさそうに 振り返って
『友達と遊ぶから
キッズは来るなよ』って冷たく追い払われたよね
その度に叔母さんが修ちゃんを叱りつけて
嫌々、修ちゃんは私を野球やサッカーに連れて行ってくれたっけ
………修ちゃんって
昔は私に冷たかった
いつからだっけ?
修ちゃんが
私に優しくなったのは
優しくなったって言っても
ただ単に私も大きくなり
修ちゃんにとってウザい存在では なくなったからだろうけど