Strawberry on the shortcakes
まぶたには
満面のキミの笑顔が焼き付いて
オレはひとりきり
目を覚ます
「………結……」
ベッドの中
彼女の名前を呼ぶと
その声はすごく掠れて
のどがすごく痛んだ
身体の関節がすごくダルい
「…………っ」
ゴロリと寝返りをうつと
少し高いところから
オレに微笑む結の顔
ベッドの向こうの壁際に
結の仏壇がある
「おはよ………結……
そう…いえば……さ、
キミの……夢を…見る時って…
風邪ひいて……熱ある時が……
多いよね………?」
そんなこと言ってないで
早く熱計れば?って
結が言ってるみたいに感じる
「はいはい………
熱ね……計るのね…?」
よろよろベッドから出て
リビングのチェストから
体温計を取り、腋に挟む
チェストの上には結婚式の時の写真が飾ってあって
熱を計ってる間
「ねぇ、結
まさかカレーにイチゴジャム入れてたの?
オレ、そんなこと知らないよ?」
『楽しみに待っててね…』
結の笑顔が浮かんで
「おい、結
早く食わせろよ
……ジャム入りカレー……」
そう呟いた
オレの掠れた声は
リビングの
朝の静寂にとけて消えた