Strawberry on the shortcakes




ピザをとってリビングのテーブルに箱を広げた



猫舌の紗智は「あふあふ」言いながら頬ばって



「………宇佐美先輩と
何があったの?」



私が目を伏せると



「言いたくないなら、いいよ
でも、あの日
あんたが早退した日……

あんた、柊ちゃんところ行ったんじゃないの?」



「……へへっ。バレてるし」



「バレバレ。
昼休みに宇佐美先輩うちのクラス来て
絆が早退したって聞いたら」



「…………」



「『今日もしかして化学あった?』って宇佐美先輩言ったよ……」



「……それで?」



「正直にあったって言ったよ。

そしたら、宇佐美先輩も絆が柊ちゃんところ行ったって気ぃついたみたいで

可哀想なくらい哀しい顔して
廊下歩いてった」



ずきずき ずきずき


あの日の


私を無神経だと言った
修ちゃんの顔を思い出す



「何があったの?
あの日からだよね?
宇佐美先輩と絆が変になったの」



「………ん」



「もしかして絆
柊ちゃんと………」


紗智は私と先生が良くなったと思ったみたいで



「違うんだ………
私、先生にも…………」


先生にも 距離おかれちゃって



そう言おうとしても


胸が 胸の痛みが邪魔して


声が出ない………



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