Strawberry on the shortcakes



そんな私を見て紗智は


「冷めるよ」ってピザを勧める



うなずいてピザをつかみ


パクッと口に入れるけど


気持ちが いっぱいで のどが 詰まったように苦しくて



ピザが飲み込めなくて



止めどなく涙がこぼれてきた



「………う……うぅぅ~~」



ピザをくわえたまま
泣き出した私に



「泣きたいなら泣けばいいさ
だけど
ピザは離そうね?」


紗智は私の口からピザをとって
箱に戻し
きゅうって抱きしめてくれる



「ほらほら、あたいの大きなお胸でお泣きよ」



「さ、紗智より私のが大きいも……う…うぅ~…うぇ~」



「可愛くない子には
胸貸さないよっ」



ポンポン

優しく背中をたたいて

抱きしめてくれる

私の方が絶対に大きい

紗智の胸は


顔を埋めると

それでも すごく柔らかくて

温かくて優しくて安心して


のどに詰まった苦しいのが

涙と一緒に出ていって



苦しいや哀しい、
切ないや辛いは


温かくて優しくて安心する柔らかい物が吸いとっていく



たくさん たくさん子供みたいに大きな声で泣きながら



先生が失った物は
きっと こういう物なんだと思った




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