Strawberry on the shortcakes



「先生の…奥さんと私が……

同じ…顔で………………

あの日、先生の寝室に入ったら

奥さんの……趣味で選んだ物がたくさんあって


奥さんが亡くなってから16年って…言ったら

だいたい私が生まれてから今までで…………


そんな長い間を…………

奥さんといた頃と何も変わらない…………

…変わらないところで
でも
奥さんだけがいなくなって


先生は16年もひとりで寝起きしてたんだって……


そう思ったら私…………


哀しくて、すごく哀しくて……」




あの日あったことを


紗智に全て話した




修ちゃんが私に言ったことも




紗智は何も言わずに
私の背中を優しく撫でて



「紗智………

私…どうしたらいい?


先生の…時間を動かしたいけど

私の顔を見たら、先生は

先生は奥さんを想うんだよ……


どうにかしたいのに

私のこの姿が悪いんだよ


それに、修ちゃんだって

私……一度も修ちゃんのこと
考えなかった…………

修ちゃんは私の気持ちを考えてくれたのに


たくさん傷つけちゃった…」




思ったこと、全てを吐き出すと



頭が ぼぉっとして


空っぽになったみたいになって


どうしたらいい?
って泣きながら


私は いつの間にか


紗智の腕の中 眠ってしまった




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