Strawberry on the shortcakes
重い沈黙が
部屋の闇を一層 濃くして
先生の背中を見失わないように
目を凝らした
「………ごめん」
その低い声には深い後悔の色がにじんでいる
「……いえ」と呟くと
「ごめんな。絆」
先生は今度は哀しげに謝る
先生が何に対して謝っているのか わからなかった
「キミに言わなくていいことを言って傷つけてしまったね」
「…いえ…先生、私は」
「あの時のオレはどうかしてたんだ、本当に。
……すまなかった。
忘れてほしい。本当にごめん」
私を引き離そうとする
一方的な言い方だった
「先生……
私は先生の力になりたい
先生のことをわかりたいんです
私は………」
気持ちが一気に込み上げて
一瞬、言葉に詰まった
先生は
一度も振り返ることはなく
その頑なな背中に
届け、届けと願いながら
「私は…あの部屋の中みたいに
何も変わらないで
先生がずっと、十何年も
同じ場所から動こうとせずに
いるのが……つらい……」
一気に言って はぁ…と息を吐くと肩が小さく震えた