Strawberry on the shortcakes
１２




あの学祭を境に


私は もう『結と柊ちゃん』の夢を見なくなった



それは まるで 結が


『もう、
あなたの役目は終わったよ

お疲れ様』と言ってるようで




私と先生は何の繋がりもない


ただの教師と生徒だった



一緒にお昼を過ごした春も


先生と少しでも会えるように がんばった夏も



風邪をひいた先生と病院に行って 彼の心に触れた日も



暗闇の中、
唇を重ねた学祭の夜も



先生に恋した毎日が


幻のように



霞んで行くようだった



登下校で家を出る時


ゴミ出しする時


本当に彼は隣に住んでいるのかと疑いたくなるくらい会わなかった



私が必死にタイミングを合わせないと、こうも会えない物なんだって



苦笑いをするしかなかった




修ちゃんは やっぱり自分のレベルにあった東京の国公立の理系大学を受験することにして



受験勉強に忙しそうだった



彼女はどうするんだろうと思ったけど、それを私が訊くのは いけない気がした



修ちゃんも藤代先生とどうなったなんて私に訊くことはなかった




そうして冬が来る





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