Strawberry on the shortcakes



………なんて


登校前は乙女心がMaxだったのに


だって、学校なら久しぶりに先生の顔が見れるし



もしかしたら、廊下で偶然 すれ違ったりして


ふわりと香る私に


先生が気ぃついてさ


『その香り、似合ってるよ』


なんて なんて


先生が言っちゃったりぃ~


と期待してたんだけど…………






「絆、大丈夫?」


教室の自分の席で突っ伏してる私に紗智は心配そうに声をかけた




冬休み明けの教室は
やたらと騒がしい



ゆっくり顔を上げると


『9時40分より始業式』と書いてある黒板が見えた



「……う~ん。大丈夫だよ」



心配そうに私を見つめる紗智に
笑ってみせた



いつもなら、そんなに重くないのに今日に限って生理痛がひどく


貧血気味だった




「保健室で休めば?
始業式、立ってられるの?」



「大丈夫、大丈夫。」


教室の時計を見上げてから


「もう時間だ。行こう」と紗智に言ってふたりで廊下を歩いた



学校の廊下は窓から隙間風が入り、スカートから出た足がすぅすぅする



「……絆。香水つけてるね」


紗智がふいに言ったから
ドキッとして


「あ、うん」と曖昧にうなずく


急に恥ずかしくなって
耳まで熱くなって行くのが
はっきりわかった



紗智は
「うんうん」とうなずきながら


「絆の雰囲気に良く合ってる」



嬉しい一言をくれた



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