Strawberry on the shortcakes
紗智は「痛いなぁ」と
おでこを擦った
オレは椅子から立ち上がり
「行くわ」と後は紗智に任せることにした
「ね、柊ちゃん」
紗智に呼びとめられ
「ん?」とカーテンを掴んだ手を下ろし振り返る
「柊ちゃんは
絆が好きなんでしょう?」
絶対にそうだろうと言わんばかりの視線を
紗智はオレにぶつける
「好きかって?」
「うん。好きでしょう?
絆のこと」
「バカじゃないの?
前にも言ったけど
自分の子供でもいいくらい
年下なんだ」
オレの言葉に紗智は憮然とした
「じゃ、後、頼んだぞ。紗智」
「へい、へい」
ため息まじりの紗智を残して
保健室を出た
「……絆のことが好きかって?」
バカだろう、紗智
好きか なんて
もう そんな次元じゃないんだよ
絆の存在は
もう そんな ところを
通りこしていた