Strawberry on the shortcakes



あ……、行っちゃう


先生が行ってしまう



お別れは この間ちゃんとした



ちゃんと さよなら した



「いろいろと
ありがとうございました」


お母さんが改めて頭を下げ


先生も一礼して


私の横を通りすぎた



「―――――――………」



バッと振り返り気がついたら
叫んでた



「先生っ!藤代先生っ!」




その声の大きさに隣にいたお母さんが目を丸くした



先生も
少し驚いたように私を見た



「………あの、あの」



ああ。最後なのに


これが本当に最後なのに


胸が苦しくて何も言葉が出ない



こんな時に言うセリフを
私は持ち合わせていない



泣き出しそうになった私に


先生は片手を差し出した



「………先生?」



「今までありがとう」


私を勇気づけるような
はっきりとした先生の言葉



涙をこらえて
そっと私も手を出した



先生はグッときつく握手をして



「先生。
ありがとうございました」



私も先生に負けないくらい
はっきりと
そして真っ直ぐ目を見つめた



うなずいた その優しい笑顔を
目に焼き付けて




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