Strawberry on the shortcakes



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引っ越しの日の明け方



夢を見た。




ぽかぽかと柔らかい金色の陽射しが舞い降りる中



どこの家だか知らないけど



縁側みたいなところに座り
庭の草木をながめながら
オレはお茶を飲んでいて



………ちょっと待て


隠居するには まだ早いぞ?



ああ、でも降り注ぐ日だまりは とても暖かい



「…もう春だな」


独り言を呟くと



キュッと
誰かがオレの手を握った



あれ?隣に誰かいるのか?



握られた手の方を向くと



女の子が うんうん。と
うなずいてる



オレの隣で、そんな風に
頬を軽く染め、嬉しそうに笑うのは 1人しか いないね




そう その女の子は間違いない





「…………絆」





キミは絆だ


他の誰とも、もう重ならない





名前を呼ぶと
「んふふ」って
本当に嬉しそうに笑うんだ




「………夢だな、本当に。
夢のまた夢だ」





さて、今日からは また新しい未来が待っている





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