Strawberry on the shortcakes




先生は
私と会ってがっかりしてる



もうやだ



泣きそうだ…………



唇を噛んで涙を我慢してから



「ごめんなさい!
変な磁石で引き寄せて

ストーカーみたいなことは
しないから安心してください


…………それじゃあ…」



ギュッと藤くんのおやつを胸に抱きしめて


先生の横を通りすぎた



すると背中から



「あのさ」


先生の声が聞こえて立ち止まる



「あのさ、新しいマンション
前のところより狭くて
家具やカーテン買い換えるんだ」



私は振り返らず耳だけで
先生の全てを感じとる



「オレ、インテリアとか興味なくて、何を選べばいいのか困ってるんだよね」



胸がジーンと来て
見上げた店の天井は
目に溜まる涙で歪んだ




「絆が選んでくれない?
…………ダメかな?」




先生の決心も
運命には逆らえない



「仕方ないなぁ。
私の趣味でいいんですか?」



くるり と振り返ると




「絆の選んだ物がいい」





少し照れたように笑う先生は
すごく可愛かった






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