Strawberry on the shortcakes
引っ越したマンションから
歩いて10分くらいのところに
宇佐美の家はあった
門をくぐり ピンポンすると
「おぉ、キッズ」
「修ちゃん、久しぶり」
従兄弟の修ちゃんが出迎えてくれて
「大きくなったなぁ、キッズ」
う~ん
たった2つ上の修ちゃんに そう言われるのは不思議な感じ
宇佐美の家では私は『キッズ』と呼ばれる
久しぶりに見る修ちゃんは
背は高く
切れ長の目がかっこいい
不覚にも 少しドキッとした
「入れよ、キッズ
晩飯、食っていくだろう?」
修ちゃんに うながされ
「じゃあ、お言葉に甘えて」
夕食は私が来るのを見越してたように すき焼きだった
「たくさん食べてね、キッズ」
優しく言ってくれる叔母さん
「はい」
「キッズ。お前、オレと同じ高校だって?」
お肉を頬張りながら修ちゃんが訊いた
「うん。もう願書締め切りギリギリで受かるか不安だったけど」
「そっか。伯父さんの海外赴任も急にだったもんな」
修ちゃんは私の頭をぐしゃぐしゃかき混ぜるように撫でて
「キッズ、よく頑張ったなぁ」
そう笑った