Strawberry on the shortcakes
マンションのエントランスに入り
エレベーターにふたりで乗る
「すごい偶然
まさか、山本と隣人だったとは」
はぁって先生はため息ついて
腕を組んだ
私は その隣で
頭も目もぐるぐる回ってた
先生がお隣さん
先生がお隣さん
うっきゃあぁ~~~~~
すごい偶然
ううん…………違うよ
運命だよ
好きな人がお隣さんなんてっ
神様~~~~
ありがとぉぉぉぉぉぉ
手を組んで神様に感謝すると
「山本?」
エレベーターは4階に着いて
「降りよう」
先生の言葉にうなずいて
エレベーターを降り
部屋が並ぶ通路を歩いた
先生がポケットから鍵を出して
「じゃ、今日はありがとう
お疲れ様」
私は
「いえいえ」
と手を振りながら
ドアの上の表札を見つめた
【藤代】
毎朝 この部屋の前 通ってたのに
なんで気がつかないかな私
私もカバンから鍵を取り出して
ドアの鍵穴に差し込む
ドアを少し開けたら
「山本」
まだ部屋に入ってなかった先生が
優しい目をして
「また明日」
――――――――――キュウン
「はい………」
先生はニコッと笑ってドアの向こうに消えた