Strawberry on the shortcakes



マンションのエントランスに入り



エレベーターにふたりで乗る



「すごい偶然
まさか、山本と隣人だったとは」



はぁって先生はため息ついて
腕を組んだ



私は その隣で



頭も目もぐるぐる回ってた



先生がお隣さん


先生がお隣さん



うっきゃあぁ~~~~~



すごい偶然


ううん…………違うよ


運命だよ


好きな人がお隣さんなんてっ



神様~~~~
ありがとぉぉぉぉぉぉ




手を組んで神様に感謝すると



「山本?」


エレベーターは4階に着いて



「降りよう」



先生の言葉にうなずいて



エレベーターを降り


部屋が並ぶ通路を歩いた



先生がポケットから鍵を出して



「じゃ、今日はありがとう
お疲れ様」



私は



「いえいえ」



と手を振りながら



ドアの上の表札を見つめた



【藤代】



毎朝 この部屋の前 通ってたのに



なんで気がつかないかな私



私もカバンから鍵を取り出して



ドアの鍵穴に差し込む



ドアを少し開けたら


「山本」



まだ部屋に入ってなかった先生が



優しい目をして



「また明日」



――――――――――キュウン



「はい………」



先生はニコッと笑ってドアの向こうに消えた



< 44 / 283 >

この作品をシェア

pagetop