Strawberry on the shortcakes


教室から更衣室へ向かう廊下を紗智と歩きながら



「絆と宇佐美先輩が従兄弟!」


はぁ~~~って紗智はため息つきながら


「うらやましいねぇ」



うっとり目を閉じて呟いた



私はスポーツバッグをギュッと抱きしめるように持って



あの修ちゃんが


そんなに すごい人だったとは…


確かに この間、久しぶりに会って私も少し ほんの すこぉ~しね


ドキドキしたもんなぁ……



「わざわざ、1年の教室まで辞書借りに来て
宇佐美先輩、絆の事、気に入ってるだね」


紗智が意味ありげにニヤリと笑った



「気に入るも何も私たち従兄弟だよ?」


紗智は私の顔をのぞき込み



「宇佐美先輩に辞書貸したい3年女子なんて100人以上はいるよ?

わざわざ、1年の絆のところに来るって事は………」



「なぁに言ってんだか」



従兄弟だって言ってんのに


すぅぐ、恋愛に話持って行くんだから


まったく思春期ってヤツは嫌だね



私の頭の中は次の時間の化学の小テストの事でいっぱいなのに



絶対、いい点とって


藤代先生に「山本ってスゴいな」って覚えてもらうんだっ


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