Strawberry on the shortcakes



「はい」


私と修ちゃんが拾い集めたプリントを先生に渡すと



「…………ごめん、ありがとう」



藤代先生はすごく哀しそうな目をして一瞬 私を見た



…………先生?



どうして
そんな目で私を見るの?



―――――――――ズキンッ


わけのわからない罪悪感で胸がすごく痛くなる



修ちゃんが思い出したように
「あっ」と呟いて



「今日、オレ日直だった
先生、あとで日誌取りに行くから
職員室にいてね」



修ちゃんの言葉に藤代先生は


「……あぁ」


すごく不機嫌に答えた



やっぱり先生スッゴい変




キーンコーン カーンコーン……



「わ、ヤベ!じゃ~なキッズ
放課後な」



チャイムが鳴って修ちゃんは駆け足で階段を降りて行った



その場に残された私と先生は無言でただ突っ立ってるだけ




修ちゃんが駆け足で降りて行った階段の先を



藤代先生は無表情で見つめてた



「あの、先生……」


何を言っていいのかわからないけど とりあえず口を開くと



「山本」


「はい」


「先に教室へ行きなさい
次はオレの授業だから」



「…………はい」



先生に背を向けて教室へ向かいながら



なんで? なんで?
なんで先生………


哀しんでる
でも
怒ってる


なんで?
何かイヤなことあったのかなぁ?




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