Strawberry on the shortcakes



学校から誰も待っていない家に帰る



リビングのソファーに座るテディベア達に



「ただいま」って言って



部屋で制服を脱ぎながら



お父さんとお母さんは元気かな?と少し寂しくなる






そんな私にも1つだけ楽しみがあった



夕方の6時を過ぎると


玄関にサンダル履いてしゃがみ
ドアに耳をつけて
じっと待つ



だいたい毎日のお帰りは6時半から7時にかけて



玄関にしゃがみ
じっと耳を澄ませると



タン、タン、タン………
マンションの廊下を歩く足音が
こちらに近づいて来て



――――――――――あ、来た



私の部屋の手前で止まり
チャリ……って鍵の音がする




「お帰りなさい。先生」



バタンと閉まるドアの音を聴きながら



小さな玄関にしゃがんだまま



毎日、先生にお帰りなさいを言う



お隣さんの特権だよね?



………ストーカーかな?
バレたら警察に警告受けるかな?




私ヤバい人かな?



でも好きなんだ


自分でも わけが分からないくらい



どうしようもなく


私は先生が好きなんだ




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