Strawberry on the shortcakes



家に帰ると


カバンを机に乱暴に置き


ベッドにダイブした


ボフンッ
マットのスプリングでボヨボヨ身体が跳ねて



枕に顔を埋めて


「うぅ~~~~~~~っ」


唸ったっていうか悶えた



頭の中は藤代先生の笑顔でいっぱい


だけど


その笑顔は私に向けられたモノではなく


ユリに向けられた笑顔だ



「なんで他の女の子にそんなイイ顔するのぉ~?」



「先生ってバカじゃないっ?」



ポス、ポス
枕をグーで叩く



....わかってるもん



他の女の子にだって笑顔を向けるのは当たり前だし



藤代先生は私のモノじゃないし




それでも



「納得いかないんだもん

他の女の子に優しいのは嫌なの」



優しい先生に恋をした



でも



優しい先生が大嫌い




授業中も廊下ですれ違っても


目が合わない


一緒にお弁当を食べた日が

グラウンドと4階の窓から見つめ合った日が



遠い夢の中の出来事になっていく




「…………そんなの嫌だよ」



< 68 / 283 >

この作品をシェア

pagetop