Strawberry on the shortcakes
家に帰ると
カバンを机に乱暴に置き
ベッドにダイブした
ボフンッ
マットのスプリングでボヨボヨ身体が跳ねて
枕に顔を埋めて
「うぅ~~~~~~~っ」
唸ったっていうか悶えた
頭の中は藤代先生の笑顔でいっぱい
だけど
その笑顔は私に向けられたモノではなく
ユリに向けられた笑顔だ
「なんで他の女の子にそんなイイ顔するのぉ~?」
「先生ってバカじゃないっ?」
ポス、ポス
枕をグーで叩く
....わかってるもん
他の女の子にだって笑顔を向けるのは当たり前だし
藤代先生は私のモノじゃないし
それでも
「納得いかないんだもん
他の女の子に優しいのは嫌なの」
優しい先生に恋をした
でも
優しい先生が大嫌い
授業中も廊下ですれ違っても
目が合わない
一緒にお弁当を食べた日が
グラウンドと4階の窓から見つめ合った日が
遠い夢の中の出来事になっていく
「…………そんなの嫌だよ」