Strawberry on the shortcakes
その表情は照れてる?
「いる?いない?」
ドキドキしながら訊くと
「いるなら、山本を部屋に入れたりしないよ」
………そっか
先生、独りなんだね
良かった
嬉しくてにやける顔を抑えるのが大変な時
「山本は」
「え?」
「宇佐美と付き合ってんの?」
「え?えぇぇっっ」
今度、皮を破くのは私の番で
私の手のひらを つまらなそうに先生は見つめて
「あ、動揺したねぇ?」
私の言葉を真似た
「先生が変な話ふるから」
「かっこいいもんな?宇佐美」
「先生、従兄弟だよ?」
「え?」
「私と彼は従兄弟です」
先生は目を見開き
しばらく動きを止めて
「先生?」
「い、従兄弟?」
「はい」
「彼氏じゃなく?」
「ただの従兄弟です」
私がキッパリ言うと
「なぁんだ。従兄弟か……
そっか、従兄弟か………」
先生は 何度も うなずいた
あれ?
あれれ?
まさか、まさかねぇ?
修ちゃんが従兄弟って聞いて
先生、喜んでる?
…………まさかねぇ?
そう思いながら嬉しい予感が私の心を満たしていった