Strawberry on the shortcakes



そぉっと
リビングのドアを開けて



キッチンを見ると先生はお皿を拭いていた



「手伝います」



ケータイをダイニングテーブルに置いてから



先生の隣に並ぶと



先生は優しく微笑み


「お母さんから?」


「――――――――――…」


一気に顔が熱くなる


「き、聞こえましたか?」



「少し」



恥ずかしくて うつむくと



「良かったよ。家族がいて」



先生がボソッと呟いた



「え?」



「まだ子供なんだから
寂しくないなんて言わないで甘えたらいいよ」



「私もう高校生ですよ?
親に甘えるような子供じゃないもん」



唇とがらせて
ふぃって そっぽを向くと



先生は
いつまでもクスクス笑ってた




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