Strawberry on the shortcakes
【保健室】
「脳震盪でしょう」
養護教諭の里田先生は穏やかに微笑みそう言った
「そう、ですか」
はぁ~~~~~~って
力が抜けて絆が眠るベッドの横の椅子に座り込んだ
「藤代先生。
申し訳ないのですが、私ちょっと用があって席を外しますので
しばらく山本さんに付いててもらえませんか?」
里田先生の頼みに一瞬だけ戸惑うけど
「はい。わかりました」と うなずいた
保健室に気を失って寝てる絆とオレのふたりきり
絆の寝顔をじっと見てると
結だ
結が寝てる
変な錯覚が起きて―――――
椅子から立ち上がり
――――――ギシッ
ベッドに座る
愛しい人と同じ顔
そぉっと手を伸ばし
前髪に触れた
低い鼻筋を指でなぞって
丸い頬を撫でる
指から伝わる懐かしい感触
どんなに時が流れたって
キミの感触は
身体に染み付いてるみたいだ
「……………結………」
思わず口から言葉がこぼれる